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敏感肌向けコスメの広告表現:「低刺激」「パッチテスト済み」「アレルギーテスト済み」の正しい書き方

公開日:2026年6月10日

敏感肌向けコスメの広告で最初に押さえるべき結論は、「化粧品の安全性を保証する表現は認められない」ことです。医薬品等適正広告基準では、安全性が確実であると保証するような表現が禁止されており、「絶対安全」「刺激ゼロ」「赤ちゃんにも安心」はいずれもNGとされています。一方、「パッチテスト済み」「アレルギーテスト済み」は試験を実施した事実の表示として、所定の注記とセットであれば可能とされています。本記事では、敏感肌訴求で使える表現と使えない表現の境界線を整理します。

結論:安全性の「保証」はNG、テスト実施の「事実」は条件付きで可

医薬品等適正広告基準では、化粧品の効能効果や安全性について「それが確実である」と保証するような表現をしないこととされています。敏感肌向けコスメの訴求は安全性アピールに寄りやすいため、この基準に最も抵触しやすい領域です。許される軸は「保証」ではなく「事実の表示」。つまり「誰にでも安全」とは言えませんが、「こういう試験を実施した」という事実は、誤認を生まない注記とセットであれば表示できる、というのが基本構造です。

NGになりやすい安全性の保証表現

  • 「絶対安全」「100%安全」:安全性が確実であることの保証にあたるためNG
  • 「刺激ゼロ」「刺激は一切ありません」:個人差を無視した断定で、保証表現とされる
  • 「誰でも使える」「どんな肌質でも大丈夫」:性別・年齢・肌質を問わず安全と保証する表現は認められないとされている
  • 「赤ちゃんにも安心」:適正広告基準の解説で保証表現の例として挙げられている代表的なNG表現
  • 「敏感肌専用」:特定の肌向けであることを強調し、安全性について事実に反する認識を与えるおそれがあるため避けるべきとされている

「お肌にやさしい」「マイルド処方」のような柔らかい言い回しでも、キャッチコピーとして強調したり、根拠なく安全性を訴求したりすると保証表現と判断され得ます。表現の強弱ではなく「安全を請け合っているか」が判断軸です。

「パッチテスト済み」「アレルギーテスト済み」の正しい書き方

「パッチテスト済み」「アレルギーテスト済み」「ノンコメドジェニックテスト済み」「スティンギングテスト済み」は、実際にその試験を実施していれば、試験実施の事実表示として広告に記載できるとされています。ただし「テスト済み=安全の保証」と消費者が誤認しないよう、打消し注記をセットで記載することが、日本化粧品工業会(粧工会)の「化粧品等の適正広告ガイドライン」で求められています。

  • アレルギーテスト済み →「すべての方にアレルギーが起きないというわけではありません」を併記
  • ノンコメドジェニックテスト済み →「すべての方にコメド(ニキビのもと)ができないというわけではありません」を併記
  • 皮膚刺激性テスト済み(パッチテスト済み)→「すべての方に皮膚刺激が起きないというわけではありません」を併記
  • 注記は「テスト済み」表示の近傍に、同程度の大きさで目立つように記載する(離れた場所の極小文字は不可とされる)
  • 実施していない試験を「済み」と書くことは事実に反する表示であり、薬機法・景品表示法の両面で問題になり得る

「敏感肌の方の協力によるパッチテスト済み」のように、被験者の属性を事実の範囲で示す書き方も実務で使われています。この場合も、実際に敏感肌の方を対象にテストを実施した事実が前提で、打消し注記は同様に必要です。「敏感肌の方が安心して使える」など保証側に踏み込む言い換えはできません。

「低刺激」単独の断定はリスクが高い

「低刺激」は、低刺激性が客観的に立証されていない場合や、キャッチフレーズとして強調する場合には行わないこととされています。「低」は比較を含む言葉であり、「何と比べて・どの試験で」という根拠がないまま単独で断定すると、安全性の誤認を招く表現と判断され得ます。実務上は、皮膚刺激性テスト等の根拠を持ったうえで、キャッチコピーにせず、打消し注記を近傍に同程度の大きさで添える、という条件を満たす形での使用が現実的です。

  • キャッチフレーズ(見出し・最大級の強調)として「低刺激」を使わない
  • 皮膚刺激に関する試験データなど、客観的な根拠を社内で保持しておく
  • 「すべての方に刺激が起きないわけではありません」等の注記を近傍に記載する
  • 「皮膚科医監修テスト」等の言及は、医療関係者の推薦と受け取られない範囲にとどめ、推奨・保証のニュアンスを持たせない

アトピー・肌荒れの「治る」系は医薬品的効能でNG

敏感肌訴求と隣り合わせで起きやすいのが、医薬品的効能への踏み込みです。化粧品が標榜できる効能は厚生労働省が示した56項目の範囲に限られ、「肌荒れを防ぐ」「皮膚をすこやかに保つ」は範囲内ですが、「治す」「改善する」は範囲外です。アトピー・湿疹・皮膚炎といった疾患名を挙げて効果をうたうことは、化粧品では認められません。

  • OK例:「肌荒れを防ぐ」「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」(56項目の範囲内)
  • NG例:「アトピーが治る」「湿疹を改善」「肌荒れを治療」(医薬品的効能)
  • NG例:「アトピーの方のために開発」など疾患名を冠した訴求(疾患への効果を暗示するためリスクが高い)

Plottell(プロッテル)のAIリーガルチェックは、敏感肌向けコスメのコピーに含まれる安全性の保証表現や医薬品的効能の表現を検出し、注記の要否を含めて一次チェックを効率化します。

よくある質問

「パッチテスト済み」と広告に書いてもいいですか?

実際にパッチテスト(皮膚刺激性テスト)を実施していれば、事実の表示として記載できるとされています。ただし「すべての方に皮膚刺激が起きないというわけではありません」といった打消し注記を、表示の近傍に同程度の大きさで目立つように記載することが粧工会のガイドラインで求められています。

「低刺激」と書くのはNGですか?

一律にNGではありませんが、客観的な立証がない場合やキャッチフレーズとして強調する場合は行わないこととされています。根拠となる試験データを持ち、強調表現を避け、打消し注記を併記する形が実務上の現実的なラインです。

「敏感肌でも安心して使えます」は使えますか?

安全性が確実であると保証する表現にあたるため、避けるべきとされています。「敏感肌の方の協力によるパッチテスト済み(すべての方に刺激が起きないわけではありません)」のように、試験実施の事実と注記のセットに言い換えるのが安全です。

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