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毛穴・クレンジング・洗顔料の薬機法:「毛穴の黒ずみ」「角栓除去」はどこまで言える?

公開日:2026年6月10日

クレンジングや洗顔料の広告で頻出する「毛穴の黒ずみ」「角栓」「毛穴レス」。これらは薬機法上、言える表現と言えない表現の境界が分かりやすい領域です。基準はシンプルで、「洗浄により汚れを落とす」という化粧品の効能の範囲に収まっているかどうか。本記事では、厚労省告示の56項目を起点に、洗浄系化粧品で言える範囲とNGになりやすい毛穴表現を整理します。

洗浄系化粧品で言える効能の範囲

化粧品が広告で標ぼうできる効能は、厚生労働省通知「化粧品の効能の範囲の改正について」(薬食発0721第1号)が定める56項目が基準です。クレンジング・洗顔料・ボディソープなど洗浄系の製品に関係するのは、主に次の項目とされています。

  • (17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする
  • (18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)
  • (1)頭皮、毛髪を清浄にする(シャンプー等)
  • (20)肌のキメを整える/(23)肌をひきしめる(洗顔後の肌感の訴求で使われる範囲)

(17)(18)の括弧書き(「汚れをおとすことにより」「洗浄により」)は、効能の前提条件を示す「しばり」です。たとえばニキビ予防は「洗浄によって汚れを落とすから防げる」という文脈でのみ言える効能で、洗顔料以外の化粧品や、洗浄と無関係な文脈で「ニキビを防ぐ」と書くことはできないとされています。

「毛穴の黒ずみ」「角栓」はどこまで言える?

結論として、「毛穴の黒ずみ」「角栓」という語そのものは使用可能ですが、訴求できるのは「洗浄により毛穴の汚れを落とす」という物理的な洗浄の文脈に限られるとされています。黒ずみや角栓を「汚れ」として位置づけ、それを洗い流す・落とすという表現であれば、(17)皮膚を清浄にするの範囲に収まり得ます。

  • OK寄り:「毛穴の汚れによる黒ずみを洗い流す」「角栓のもとになる皮脂汚れをすっきり落とす」
  • OK寄り:「汚れを落として、毛穴の目立ちにくいなめらかな肌印象に」
  • NG寄り:「毛穴の黒ずみが消える」「角栓を溶かして除去」「黒ずみを根本から解消」

「消える」「溶かす」「根本解消」は、洗浄を超えて皮膚の構造や状態を変える印象を与えるため、化粧品の効能の範囲を逸脱するおそれがあります。また、角栓がごっそり取れて毛穴自体が見えなくなるようなビフォーアフター画像は、効果が完全であるかのような誤認を招き、薬機法・景品表示法の両面で問題になり得ます。

NGになりやすい毛穴表現の典型

毛穴まわりでNGになりやすいのは、「毛穴という器官の構造が変わる」「効果が永続する」と読める表現です。化粧品の効能は皮膚の清浄・保湿など穏やかな作用の範囲とされており、毛穴のサイズや構造そのものを変える訴求は範囲外になります。

  • 「毛穴が小さくなる」「毛穴が閉じる」→ 皮膚の構造変化の訴求でNG
  • 「毛穴レス」「毛穴ゼロ」→ 毛穴の消失を意味し、効能の範囲外。メイクで隠す文脈なら「毛穴を目立たなくみせる(メーキャップ効果)」と整理する
  • 「角栓が二度とできない」「黒ずみ知らずの肌が続く」→ 永続効果の保証でNG
  • 「毛穴の黒ずみが消える」→ 汚れの洗浄を超えた完全な解消の断定でNG

ファンデーションや化粧下地が「毛穴を目立たなくみせる」のは、効能ではなくメーキャップによる物理的なカバー(化粧効果)として認められている表現です。洗浄系の製品でこの言い回しを流用する場合は、「汚れを落とすことで目立ちにくくみせる」のように、何によってそう見えるのかを明示するのが安全とされています。

「毛穴の開きを引き締める」は言える?

56項目には(23)肌をひきしめるがあり、収れん化粧水などで「肌をひきしめる」と書くこと自体は認められています。ただし、これは肌全体の一時的な引き締まり感の範囲であり、「毛穴の開きが引き締まって小さくなる」「開いた毛穴が元に戻る」のように、毛穴という部位の構造的・永続的な変化を訴求すると範囲を超えるおそれがあります。

  • OK寄り:「肌をひきしめる」「ひきしまった肌印象へ」(収れん化粧水等)
  • グレー〜NG寄り:「毛穴をキュッと引き締めて小さく」「開き毛穴を改善」
  • NG寄り:「たるみ毛穴を治す」「毛穴の開きを根本から解消」

「W洗顔不要」「まつエクOK」は効能ではなく事実表示

「W洗顔不要」「濡れた手で使える」「まつげエクステ対応」「お風呂で使える」といった表示は、効能効果ではなく製品の使い方・仕様に関する事実表示と整理されます。薬機法の56項目の制約は受けませんが、事実と異なれば景品表示法の優良誤認になるため、処方や試験に基づく裏付けが必要です。たとえばまつエク対応は、一般にグルー(接着剤)への影響を確認したうえで表示するものとされています。

ピーリング・スクラブの「古い角質を除去」

スクラブ洗顔やピーリングジェルの「古い角質を取り除く」は、肌表面の不要な角質や汚れを物理的に洗い流すという洗浄の範囲であれば言えるとされています。美白系の文脈でも「メラニンを含む古い角質を洗い流す」という整理が用いられますが、これも洗浄の事実を述べているにすぎません。一方、「角質を溶かす」「ターンオーバーを正常化する」のように、皮膚の生理機能への作用を訴求すると医薬品的な効能とみなされるおそれがあります。

医療機関で行うケミカルピーリングを連想させる「肌の再生」「生まれ変わる」といった表現は、化粧品では使えません。あくまで「表面の古い角質・汚れを洗い流す」という物理的な洗浄の表現に留めることが、洗浄系製品の安全ラインです。

Plottell(プロッテル)のAIリーガルチェックは、クレンジング・洗顔料のLPやA+コンテンツのコピーを薬機法・景表法の観点で確認し、「毛穴レス」「黒ずみが消える」のような範囲を超えやすい表現を検出します。配信前の一次チェックの効率化に役立ちます。

よくある質問

「毛穴の黒ずみを除去」はクレンジングの広告で使えますか?

「洗浄により毛穴の汚れによる黒ずみを洗い流す」という物理的な洗浄の文脈であれば、化粧品の効能(汚れをおとすことにより皮膚を清浄にする)の範囲に収まり得ます。ただし「黒ずみが消える」「根本から解消」のような完全・永続的な効果の断定はNGとされています。

「毛穴レス」「毛穴が小さくなる」はなぜNGですか?

毛穴の消失や縮小は皮膚の構造変化にあたり、厚労省告示の56項目(洗浄・保湿など穏やかな作用)の範囲を超えるためです。メイクでカバーする文脈なら「毛穴を目立たなくみせる」というメーキャップ効果としての表現が使えます。

洗顔料で「ニキビを防ぐ」と書けますか?

書けます。56項目に「(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)」があり、洗顔料に限り、洗浄によって防ぐという文脈で標ぼうできます。ただし「ニキビが治る」「ニキビ跡が消える」は治療効果の訴求となりNGとされています。

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